Home » コラム » リーマンショック後のアメリカから鑑みて

リーマンショック後のアメリカから鑑みて

リーマンショック後のアメリカから鑑みて

 金融危機到来による日本を含む世界の市場環境は恰も荒れ狂う大海に多くのタンカーが漂流し、殆どの船長(企業経営者・マーケター)が船から投げ出されかつ船内に身を潜めているような状況を呈していると判断するのは極端かもしれない。しかし、現実は日々マイナス志向に向かっている。特に米国の消費流通市場での大方は今日ほどビジネスパラダイムの変革はないだろうと見ている。それは、言うまでも無く金融危機による信用不安と世界同時不況そしてオバマ大統領の出現である。そして「Change/change/change」・「Yes,we can」。三語での強烈なアピールに国民はこぞって彼にオーベーションを贈った。

 

 選挙活動の過去の踏襲(過去のサポーターや地元エリアの優先)を拒否した事実を世界に明示した。高度情報技術化社会の現実をスマートに直視したところが凄いと言える。インターネットを起用して1.300万人のサポーターの確保とそこからの寄付金による自然徴収の具現化は敬意を表したい。少なくとも人種民族を超えた知恵者のなせる業ではないだろうか。言い換えるならオバマ大統領の出現は米国のみならず世界の市場環境が動いている事実を検証している。正に、インターネットコミュニケーションテクノロジーをフルに利用したと言えるのではないだろうか。

 

 100年に一度来るかどうかの経験値から市場の実態の変わりようは尋常ではない、またローンの生活からの脱皮として合理的なライフスタイル志向や価値概念がおカネ(モノ)とそれに付随するサービス(コト)の革新が今まで以上に求められると自覚症状がみられてきた。特に生活者のマインド志向が「誇示的」から「良心的」いわゆる目立つための商品志向から誠実に良し悪しの分別判断志向にはいってきている。

 

 欧米人特有の「セルフラブ」志向の台頭化がもっと加速すのではないだろうかとみる。個人の主体性を前提とする行動・環境・手段、いわゆるプロシューマ-からセルシューマー(生活者でありメーカー(販売者))時代の到来かとうなづける。要するに「市場」は絶えず動いている。特に金融危機下での変化は凄い勢いで動いていると受け留め、少なくとも成果ある目先の仕事の消化と同時に一歩先への目線をいつも正確にポジショニングしておくことを今の米国から学ぶことができる。

 

 市場環境の循環(景気/不景気(金融危機))を前提にすれば絶えず企業(経営)成長期待値を創出するためには

①需要創出への飽くなきチャレンジ

②強烈な差別化志向

③モノ+コト志向の徹底化

④カストマーズリレーションシップの強化

⑤智恵ある人材の起用

⑥有限性ある経営資源の合理化追及

⑦戦略的目標管理の特化(ノルマ成就の蓄積)

⑧成果創出の徹底化

⑨成果創出過程のマネジメント

⑩スマートなPDCAの実施

などがこれから益々重要な課題となると鑑みる。

                              平成21年5月24日
                                    山本 学
                          山本国際マーケティング研究所
                            関西大学 商経学科 講師
                  中国遼寧大学(工商管理学院)大学院 客員教授